今、ChatGPTと言われる自然言語で対応するAIが注目を浴びています。今回はこの最新のAIについて紹介すると共に、今後ChatGPTが社会の中でどのように活用されていくかを考えていきます。
Google検索登場以来のインパクト
今から遡ること約20年前、日本語に対応したGoogle検索が登場しました。それまでのインターネットで情報を調べる検索の仕組みは、ディレクトリー型検索と呼ばれる人間の手によりカテゴリー別に登録されたディレクトリー型検索が主でしたが。しかし、この検索の方法の難点は人手に頼っていたため検索キーワードの登録に手間と時間を要していました。そこに突如シンプルな検索窓しか表示されていないロボット型検索エンジンのGoogleが登場しました。これは人の手を借りて検索キーワードを登録するのではなく、クローラーやインデックスと言う自動化されたインターネット上の情報を集めてくる仕組みを取り入れて検索できることを可能にしました。その後、このロボット型検索が主流となり現在に至ります。それと同様またはそれ以上のインパクトがあるものとしてChatGPTが登場しました。
ChatGPTとは何か
ChatGPTは、アメリカのOpenAIによって開発された大規模な自然言語処理モデルの1つであり、名前に”Chat”がついているのは、これがチャットボットとして活用されることを示しています。そして”GPT”は、Generative Pre-trained Transformer(生成的な事前訓練を行なった変換)略であることを表しています。ChatGPTは、インターネット上の膨大な量のテキストデータを学習し、その知識を活用して自然な文や返答を生成することができます。
なぜ注目されているかというと、それはChatGPTが持つ多様な能力によるところが大きいです。今までのチャットポットの多くは1問1答形式であったものが、ChatGPTでは文章の生成、応答の生成、文章の要約、翻訳、文章の質問応答など、様々な自然言語処理タスクをこなすことができます。さらに、膨大な量のデータを学習しているため、一般的な知識や情報についても幅広く知っています。これは、多くの分野で役立つことが期待されている理由の1つです。
ChatGPTが注目されているもう1つの理由は、大量の学習データを用いて学習されているということです。具体的には、学習に使用するテキストデータは、オンライン上に存在する膨大な量のデータから自動的に収集されています。これにより、学習するデータは、非常に多様な種類の文章、書籍、ニュース、ブログなどから構成されています。そして、学習したことが、ChatGPTがこなす自然言語処理タスクに役立つことが期待されている理由です。
より自然な文章で答える柔軟性
ChatGPTがこなす自然言語処理タスクには、様々な種類があります。最も基本的なものは、文章の生成です。ChatGPTでは、あるトピックについての自然な文章を生成することができます。例えば、”犬について話してください”という指示が与えられた場合、ChatGPTは、犬に関する情報を含んだ自然な文章として、「犬は、社交的で忠実であり、家族の一員として多くの人々に愛されています。犬には、多くの品種があり、それぞれに特徴があります。例えば、体格や毛色、性格などが異なります。犬の性格は、品種だけでなく、個体によっても異なります。一般的に、犬は忠実で親密な関係を築くことができ、しつけがしっかりされていれば、飼い主や家族と共に暮らすことができます。」などと返答してきます。このようにChatGPTは、自然言語処理の分野で非常に有用なツールであり、多くの分野で使用されています。
このようにChatGPTは、言語処理のタスクを自動化することができ、このモデルは、テキストを解析し、それを理解し、応答することができます。これにより、人間とコミュニケーションをするようなチャットボットを作成することができます。これを使用することで、企業や個人が顧客サポート、販売促進、情報提供、教育、エンターテイメントなどの目的でチャットボットを作成することができます。
AIの話の中で話題になる、ディープラーニングという深層学習アルゴリズムに基づいてChatGPTは構成されています。このモデルは、大量のデータを使用してトレーニングされます。トレーニング中に、多数の文書を読み取り、その中からパターンを見つけ出し、文脈を理解し、単語の意味を学習します。この学習プロセスにより、モデルは、人間が書くような自然の言葉としてテキストを生成することができます。
また、多くのタスクで非常に高い性能を発揮します。例えば、言語翻訳、質問応答、文章生成、文章分類などです。これで、テキストの自然な流れを理解し、適切な回答を返すことができます。さらに、ChatGPTは、人間とのコミュニケーションに適した言語表現を使用することができます。
GhatGPTの利用分野
GhatGPTは、多くの企業や個人にとって非常に有用なツールです。例えば、企業は、チャットボットを使用して、顧客サポートを自動化することができます。チャットボットは、24時間体制で稼働するため、顧客が問い合わせをしたときにすぐに返答することができます。また、チャットボットを使用することで、企業は、多くの時間と費用を節約することができます。さらに、ChatGPTは、教育分野においても使用されています。例えば、言語学習アプリケーションでは、学習者が疑問や質問をすると、チャットGPTが自動的に応答を返します。これにより、学習者がよりスムーズに学習することができます。
また、アート分野においても注目を集めています。例えば、詩や小説の自動生成などがあります。これにより、アーティストは、より創造的で新しいアイデアを生み出すことができます。
さらに、医療分野でも利用されています。例えば、病気や症状に関する質問に対して、適切な回答を提供することができます。また、医師や看護師が患者との対話をより効果的に行うためにも、利用されています。
個人の日常生活にも広がっています。例えば、スマートフォンのアシスタント機能や家庭内のAIスピーカーで、天気予報やニュースの読み上げ、レシピ提案、音楽再生などでも利用されています。
今後の可能性
以上のように、チャットGPTは、多くの分野で使用されています。これは、自然言語処理技術の進歩によるものであり、現在は言語処理においての活用が主ですが、今後の社会においてはロボット技術との連動により介護や工事現場でのアシスト、また、乗り物の自動操縦の補完としてなど、かつてはSF映画などの世界で表現されていたものが、現実の世界へ導入されてくる日もそう遠いことではなくなりました。今後ますます注目を集めることが予想されます。
フィルゲート株式会社 代表取締役 菊原政信