【コラム】当りの電車がやって来た!

最近、都内の地下鉄のトンネル内でも携帯電話が通じるようになり便利になりました。少し前ならメールを送る場合など、トンネル走行中に文章を作ってホームに着くなりメールを送ったり、送りそこねると次の駅までじっと我慢していたりなど、電波の状況を気にしていた経験があるのではないでしょうか?

いつでもメール、SNS、ゲームができる状況になったと同時に、乗り降りする人の行動も変わってきました。今回は日常の通勤電車風景に焦点を当ててみます。

■通勤時間帯の朝のホーム

朝は、早足で改札を抜けて電車のホームに駆け上がり電車が来る間、ただジィーッと電車が来るの待っている人は少なくなりました。まずは乗る前にメールのチェック。電車に乗れば、音楽や最近流行りの英語学習教材を聴くか、経済新聞の電子版などを読むことが習慣になっている人が増えていますよね。

少し前なら社内で音楽を聞くのは音漏れがするので控えたり、新聞も混雑している社内で広げて読むにははばかられるので、縦に四つ折りにして、まるで「ハリセン」状態にして読んでいるなど涙ぐましい程の努力をしている風景を目にしていたのではないでしょうか?

■帰宅時間の車内

夕方は、一日の仕事が終わり帰宅するか遊びに行くか、いずれにしろ車内から駅に着くたびにホームで待っている人を見ていると、大体8割位の人が、待っている間は朝と同じくモバイルをジィーッと見つめています。

ただ、朝と様相が違うのは、そのまま片手にモバイルを握りしめながら乗り込み、立っていても座っていても更に没頭して自分の空間を楽しんでいます。座席が7人がけであれば、だいたい5人がモバイルを眺め、1人が本を読み、あと1人は寝ているといったところじゃないでしょうか?

そういう私も社内で立っているときはメール、座れればおもむろにタブレットを出して没頭していますが・・・

更に、降りる駅に着いてもモバイルをしまうこと無く、握りしめたままホームに降りて、エレベーターに乗る間もひたすら続きを楽しんでいる様子です。
改札を出てもそのままですから家に着くまでその調子なのでしょう。

そう考えると電車通勤の移動を挟んでかなりの時間、モバイルを握りしめていまよね。

■通勤が楽しくなる

「通勤」は「痛勤」などダジャレにされますが、これ程までに電車とモバイルが切っても切れない間柄であるならば、いっそもっと楽しくできないものでしょうか?

最近は、乗車券や定期を購入した際にポイントが付くなど、鉄道会社も利用者へのメリットを考えていますよね。また、ラッシュ時の緩和の為オフピーク通勤を推奨してその対策として、朝少し早めに利用した方にはポイントを与えて、溜まった人には景品を贈呈するなどやっていました。

そこで、それほどまでに大方の人がホームでも片時もモバイルを手離さないのであれば、アプリを作り不定期に電車によって「当りの電車」・「はずれの電車」をつけて、一人一日朝夕一回限りでアプリ抽選ができるようにする。ホームに電車が入ってきたらアプリを立ちあげて待ち、ランダム抽選でホーム上の幾人かは「当り」でポイントを加算。オフピーク通勤時間帯の電車は確立2倍かポイント2倍でとポイントがたまる仕組みで、電車に乗るのが楽しみになることを考えてみるのはどうでしょう。

利用客を平等に扱う公共交通機関を遊び道具にするな!と怒られそうですが、更に乗るのが楽しみになる鉄道を目指して貰いたいところです。

フィルゲート 菊原 政信