【コラム】イオンリカー旗艦店にみるO2Oの取り組み

流通業のイオンではリカー専門店として「AEONRIQUOR]を都内20店舗、神奈川3店舗、千葉2店舗で展開しています。中でも昨年10月「イオンリカー自由が丘店」は旗艦店としてワインの魅力を五感に訴える体験型ワインショップとしてオープンしました。
店内には、プリペイドカード型テイスティングマシン、スマートテーブル、ワインボトルに映し出されるプロジェクションマッピング等最新鋭のシステムが導入され、新しいスタイルのショップとして楽しめます。
そこで今回は、ここで展開されているO2O(Online to Offline、Offline to Offline)の取り組みについてレポートします。

【自由が丘という土地柄】

東急東横線と大井町線が乗り入れる、洋菓子、ファッションを中心とした情報発信の街として発展してきました。
駅を中心とした商店街と近郊には田園調布、奥沢、等々力等の住宅街で形成されています。
毎年、自由が丘商店街振興組合が中心となり、4月には「自由が丘桜まつり」、10月には「自由が丘女神まつり」が開催され、多くの人で賑わいます。

【自由が丘周辺データ】

 500m圏内1km圏内2km圏内
乗降客数(日)14万3千300人
人口総数12,147人48,387人185,105人
昼間人口16,012人40,023人142,198人
世帯数6,672世帯25,162世帯91,323世帯
1人世帯数3,638世帯12,349世帯40,871世帯
1人世帯比率55%49.08%44.75%
小売事業所数433件811件1,737件
小売業年間商品販売額4,747,049万円8,376,468万円17,750,433万円
全産業事業所数1,484件3,091件7,256件
飲食店事業所数181件334件690件


【イオンリカー自由が丘店】

自由が丘駅北口から徒歩3分の距離に位置し、自由が丘グリーンロードに面した立地です。
日中は周辺のスイーツ&カフェ、ショッピングで賑い、店舗は1階、B1のフロア、夜は趣のあるショップとして存在感を示しています。

1階エントランス

【様々なワインがテイスティングできるシステムを導入】

店内に入り、まず目を引くのがプリペイドカードでワインをテイスティングができるマシーン。

銘柄別に、3段階にテイスティングの量が選べます。

銘柄によって、量に応じた価格が表示されている。

【販売コーナーディスプレイ】

店内には、ワインの他の洋酒、日本酒など豊富な品揃えをしています。
特に単に商品を陳列しているだけではなく、イベントに合わせたデスプレイにも工夫を凝らして訴求しています。

 バレンタインデーに合わせた陳列

【手書き看板でのアプローチ】

最新鋭の取り組みがされているにも関わらず、随所に手書き、手作り感を取り入れて親近感を沸き立たせています。

 

 テイスティングの楽しみ方を説明、地下のテーブルでも飲めることを案内。

イオンリカー店舗共通で行われている「毎週水曜日、夫婦の日」。

【ワインボトルに映し出されるプロジェクションマッピング】

最近、様々なものにプロジェクションマッピングが利用されるようになりましたが、ここではワインボトルを素材として投影されています。オススメのワインとイメージを表現しています。

 

 

【スマートテーブルを活用して情報を提供】

前回、「バレンタインデーに向けた百貨店での新たなO2Oの試み」にてタカシマヤ新宿店でのスマートテーブルを活用した事例を述べましたが、この店舗でも活用されています。地下にはスマートテーブルが2台置かれ、センサーチップが貼られたワインボトルををテーブルの上に乗せるとワインに関する情報が表示されます。
 

初期画面


テーブルにワインボトルを乗せると、ワインの説明、おつまみレシピ等が表示されます。

【O2O(Offline to Offline)取り組み】

O2Oと言うと通常Online to Offlineを意味することが大きですが、ここではデーブルに乗せたワインがどの棚に置かれているかを表示し、店舗近くまたは近郊でこのワインを持込可能な店舗を調べることが出来き、持ち込みワインの取り組みはイオンリカーショップ共通で行われているOffline to Offlineに注目。


棚案内、持ち込み可能店舗案内を検索、表示

【その他の取り組み】

オンラインショップでは「AEONdeWINE」を展開し、またイベント等も開催され地元の消費者との接触点を設ける工夫がされています。

【店舗情報】
〒152-0035
東京都目黒区自由が丘1丁目4番10号 カランタ1階
電話番号:03-5731-9577
HP:http://www.aeonliquor.jp/jiyugaoka/

【編集後記】

兎角EC・O2O・オムニチャンネルが語られる時は、ポイントの共通化、ネットクーポンの配布等なインターネット上での施策やデバイスが注目されることが多いですが、リアルな商圏を持つ実態との連携された取り組みとしてオープンから半年近くが経ち、デバイスでは対応しきれない接客にも今後期待しています。

:その他スマートテーブル利用のコンセプト例:
ピザハット https://www.youtube.com/watch?v=xvT0MCugb58

 配信:O2O・オムニチャンネルコンサルティング フィルゲート 菊原政信