第26回:SDGsにおけるマインドフルネスの取り組み

SDGsにおけるマインドフルネスの取り組み

 

新年度に入り様々な活動が始まりましたが以前新型コロナの影響は色濃く、更にロシアによるウクライナへの侵攻、物価高などこの状況がいつまで続くのか、社会や日常生活においてもストレスを感じている人が多くなってきました。最近では、先行きの不安やストレスから「コロナうつ」などと呼ばれる症状をうったえる人もいます。

今回はこのように日常に受けている、さまざまなストレスとどのように付き合っていくかを、企業として社員の健康を守り安全安心な環境を提案する為、SDGsと照らし合わせて近年話題になっているマインドフルネスの観点からお話をします。

SDGsにおける社員の精神衛生管理

 

マインドフルネスとは、ウィキペディアによると「今、この瞬間の体験に意図的に意識を向け、評価をせずに、とらわれのない状態で、ただ観ること」とされています。アメリカ発と捉えられがちなマインドフルネスですが、東洋では「瞑想」として古くからなじみ深いことです。瞑想というと禅修行など、特別な環境で長い間苦行をするイメージとして捉えられがちですが、マインドフルネスは宗教観にとらわれない日常で行えるストレス軽減法です。そのマインドフルネスが、SDGsとどのように関係するのか不思議に思われる方もいらっしゃると思いますが、目標3では、「全ての人に健康と福祉を」があげられています。現在多くの企業でも行われているリモートで仕事が行われるようになりました。以前であれオフィスで業務を行っていたことが、個々の場所で行える環境になり通勤からの解放をもたらす一方、コミュニケーションの欠如などによる疎外感などのストレスを受けているなどの意見も出ています。そこでそのストレスを和らげリラックスする為、音楽を聴きながら仕事をしたり合間に聴くなどされてる方もいるのではないでしょうか。

音楽は、一定のリズムとメロディーを含んでいますが、体の中で一定のリズムを刻んでいるのは心臓です。心臓が意識しなくても動いているのは、脳からの信号で体内に張り巡らされた自律神経が血管など体全体を調整しているから動いているのです。マインドフルネス瞑想では、一般的に「今この瞬間の感覚を集中して」ゆっくり呼吸を繰り返すことにより気持ちをリラックスさせますが、音楽を聴くことに集中することでも効果があります。そうは言っても聴いている間も他のことが雑念として湧いてきてしまう場合は、そのことに注意を移さずまた聴くことに気持ちを戻すことを繰り返すだけで良いのです。雑念が湧くのは、私たちの遠い祖先の時代から敵に襲われないようにいつも周りに注意を払って生きてきた証でもあります。

ストレスとうまく付き合う

 

一口にストレスと言っても、心や体にプレッシャーが加わり有害な影響を及ぼすものと、意欲などを沸かせる優良なものがあります。先程の自律神経には、緊張やストレスを受けると活発になり心拍数・血圧を上げる交感神経と、リラックスしている時に活発になり心拍数・血圧を下げる副交感神経があり、その両方のバランスがとれた状態が一番良い状態です。自動車に例えるならばアクセルにあたるのが交感神経、ブレーキにあたるのが副交感神経でありどちらか一方では自動車として機能は果たせないのと同様です。

自律神経の機能のバランスは、一定の周期を持って変化します。生理学的には、自律神経に限らず大抵の生物の身体機能には24時間の周期を持った変動があることがわかっています。これを、概日リズム(サーカディアンリズム)と言いますが、朝起きて日中活動して夜になり眠り、睡眠中に体の機能を調整して翌日の活動の準備を整えています。また、1日の中における自律神経の変動のことを日内変動と言いますが、これは朝起きた時には交感神経が優位になり、体を目覚めさせるために心拍数・血圧を上げ、午後になると副交感神経が優位になり始めて徐々に体をリラックスさせる状態になることを言います。夜になると就寝に向けて更に副交感神経が働きリラックス状態になり、就寝中は心も体もリラックスして疲れを回復させる循環を毎日繰り返しています。

 

しかしながら、夜遅くまでスマホやテレビを見ていると本来副交感神経が優位になる時間帯であっても、交感神経が優位な状況が持続してしまい朝疲れが抜けなかったり、年齢による自律神経の調整機能が低下してくることにより夜中に目が覚めてしまうことがあります。そのような時こそ寝る前には、マインドフルネスを意識的に行い良質な睡眠をとることが大切です。最近では脈拍の揺らぎからストレスとリラックスの状態がわかる研究も進められており、スマホを使ってその状態を見ることができるサービスも始まっています。

日中でも家事や仕事でストレスを感じた際には、ほんの少しの時間でもマインドフルネスな時間を持つことでストレスを軽減させることを試してみてください。このように、音楽や子守歌は子供を寝かしつけるためだけでなく、さまざまなストレスに囲まれて過ごしている大人も、日常生活に取り入れてマインドフルネスな日々を過ごしましょう。

フィルゲート株式会社 代表取締役 菊原政信