第25回:Z世代が捉えるSDGsとは

最近は、Z世代(1992年~2012年生まれ)と言われるデジタルネイティブが注目されています。なぜならば、これからの消費を担うだけでなく、働き手として企業とは密接に関わってきます。今回は、このZ世代の若に対して、事業会社としてどのように取り組む必要があるか、SDGsとの関わりや今後の雇用問題としての課題を私が代表を務めるNext Retail Labが3/2に開催した第45回フォーラムに登壇して頂いたSHIBUYA109エンターテイメント様の講演、テーマ「毎月200人のZ世代と接してわかったZ世代の消費価値観と企業の在り方」の内容も交えながらお話していきます。

世代の学校教育には既にSDGsは含まれている

 

日頃企業で働く方々にとっては、現役のZ世代の学生とコミュニケーションをとる場は少ないかと思いますが、自社の商品やサービスを購入する対象として把握することはこれから必要不可欠な状況となるでしょう。既に学校教育にSDGsの成り立ちや17の目標、ターゲット、指標について学習がすすめられています。ただ、机上の学びだけではなく更に学んだことを体験する為の試みもされています。

例えば、私が関係する大学でも、国連大学の前で開かれるマルシェで目標12の作る責任、使う責任を念頭に入れて市場に出まわらない今までは廃棄されていた野菜をベースにしたカレーを、学生と障害者施設の方と一緒に作りこの会場に来ていただいた方々に試食して頂きました。結果目標12と目標8のはたらきがいも経済成長を併せ持つ活動となりました。このように座学としてSDGsだけではなく、そこで学んだことを実践していく段階に既に入っています。これはZ世代の大学生だけではなく、今後その下の中高生、更には小学生の段階から学びと実践が取り入れられてきます。また、学校教育に取り入れられるだけではなく、普段の家庭内においても親子で取り組むSDGsなどの試みがされるようになってきています。

このように2015年を始まりとして、学校、家庭、企業において教育がはじまりました。SDGsが採択された後コロナ禍に見舞われましたが、多少の進捗の遅れはありますが着実に教育において浸透してきています。

 

 

Z世代の価値

デジタルネイティブ世代はスマホやSNSが既存である環境にあり、コミュニティがリアルだけでなくデジタルにも拡大しています。また、画像や動画を介したビジュアルコミュニケーションがよく使われます。価値観の特徴としては、自分らしさは周囲が決めるとして、周囲からどう見られているかを意識しています。同調意識が強く、周りの目が気になり共感能力も高いです。また多面性があり、いろいろな自分を持ち、コミュニティに合わせて表現する個人を変えています。SNSアカウントを変えるなどもその表れです。そして多様性は当たり前で自分にも他人にも、いろいろな側面があって当たり前と捉えています。

そのほか、押さえておくべきZ世代の特徴として、リーマンショック等により不況がデフォルトかする社会で成長し、将来への不安を抱えている、状況に滝応する能力が高く、実現可能な目標を目指す傾向にあります。つまり不況がデフォルトであるということです。次に、コロナ禍で常識が常識で亡くなる時代を生きており、本質を問いかける力がはぐくまれていき、コストパフォーマンス、タイムパフォーマンスに長けた合理性が重視されます。最後に、幼い頃に東日本大震災等を経験して社会課題や他者への貢献の意識や、環境、社会に良いことに関心が高くソーシャルグッドの気概があります。つまり社会への貢献意識が高いことからSDGsに対しても素直に受け入れる素地が養われているのです。

 

Z世代の消費行動

 

 Z世代の消費に対する価値観としていくつか述べます。まず第1に「体験消費」であることで、つまり旅行やイベントなどの時間を共有するコトに価値を感じます。コロナにより非日常の価値は更に向上しています。例えばファッションの選び方については、SNSで気になる体験をストックし、友達と事前にコーディネートの相談をした後に体験をSNSに投稿します。

第2に「間違えたくない消費」。これは買い物には慎重で失敗したくない傾向にあります。自ら自由に使えるお金が限られているので、事前の情報収集に時間をかけて入念に行い、口コミの評価の高く、信頼する人が使っているか勧めていて、それが自分に合っているかが評価軸となります。

第3に「メリハリ消費」です。これは自分が価値を感じるものにお金と時間を投資して後は節約する傾向にあります。代表的な消費の例として「ヲタ活」が挙げられます。ヲタとは、ファンであることやお金や時間を沢山費やしているものをさします。アンケートによるとヲタ活があると回答した人が75.5%でした。また、脂質額では年間15万円以上としている回答が最も多い結果となりました。

第4に「応援消費」として社会や他者への貢献意識が高く、応援したい・親近感を感じるものにお金を使うという傾向があります。

Z世代の消費行動

 

Z世代とどのように向き合うか

 

事業会社としてZ世代と向き合う際に抑えておきたいポイントは、第1にZ世代と同じ目線を事業会社として保有することです。若者へのアプローチとして一番難しいところは、価値観や生活環境が全く違う為、他の年代と比べても想像がつきにくく、これは多くの会社が感じていることです。そこで自社のマーケティングではまず、若者感覚を実感できる環境づくりが必要です。つまりターゲットとなるZ世代の顧客の顔が見える仕組みをできるだけ自社で持つことです。例として、担当者自身が若者と直接会う機会を強制的につくり、習慣化するようにします。

消費の対象として捉えるだけではなく、これからの働き手として採用をする上でもこれらのことを考慮して、以上のように社内外の環境づくりやSDGs思考を持った取り組みを進めていくことがこれからの企業に求められてきます。

フィルゲート株式会社 代表取締役 菊原政信