第17回:SDGsの基本とビジネスへの関わり⑦

日本政府・各省庁の動向と世界における日本のSDGs

 

日本政府のSDGs実施指針、SDGsアクションプラン

国連の動きに合わせて、日本政府もSDGsを重要課題と位置づけ、2016年5月に首相主導のもとで全国務大臣が参加する「持続可能な開発目標(SDGs) 推進本部」が設置されました。

その下に、「SDGs推進円卓会議」と呼ばれる行政、市民社会、民間セクター、国際機関、有識者などによる会議体が設置されました。推進本部は日本政府として、2016年12月に「SDGs実施指針」を策定し、日本として特に推進すべき目標として①あらゆる人々の活躍の推進、②健康・長寿の達成、③成長市場の創出,地域活性化,科学技術イノベーション、

④持続可能で強靱な国土と質の高いインフラの整備、⑥生物多様性,森林,海洋等の環境の保全、⑦平和と安全・安心社会の実現、⑧SDGs実施推進の体制と手段の「8つの優先課題」を発表しました。この8つの優先課題への取組みにあたっては、2030アジェンダから抽出された①普遍性②包摂性③参画型④統合性⑤透明性と説明責任の「5つの実施原則」を重視することにしました。

「SDGs実施指針」における「5つの実施原則」について各原則は、原則1「普遍性」:国内と国外(国際協力)の両面での取組みの重要性を認識し、それぞれ連携して取り組むことが有意義だと認識をして取組みを進めること、原則2「包摂性」:「誰一人残さない」の理念のもと、脆弱な立場におかれた人々にも焦点を当てた包摂性な取組みであること、原則3「参画型」:自らが当事者として主体的に参加し、あらゆるステークホルダーや当事者の参画を重視し、全員参加型で取り組むこと、原則4「統合性」:統合的な解決が必要とされるSDGsの目標とターゲットに対して、経済・社会・環境の関連課題との相互関連性を重視した取組みを行うこと、原則5「透明性と説明責任」:全員参加型の取組みであることを確保するためにも、取組みの実施状況を評価、公表し、説明責任を果たすことが挙げられています。

出所:SDGs推進本部及び外務省ホームページ

SDGsアクションプランとSDGsモデル

 

2017年12月に開催された第4回 SDGs推進本部の会合において、企業や自治体を支援する「SDGsアクションプラン2018」が公表されました。この「SDGsアクションプラン」は毎年改定され、2020年12月には「SDGsアクションプラン2021」が発表され、以下を重点事項として取り組むとされています。

I.感染症対策と次なる危機への備え

Ⅱ.よりよい復興に向けたビジネスとイノベーションを通じた成長戦略

Ⅲ.SDGsを原動力とした地方創生、経済と環境の好循環の創出

Ⅳ.一人ひとりの可能性の発揮と絆の強化を通じた行動の加速

SDGsは、政府内の重要文書で次々に取り上げられるようになりました。今後、SDGsの政策面での主流化が進み、各省庁の間で、SDGsを掲げることで、その枠組みに関する予算や制度が通りやすくなるでしょう。

 

世界における日本のSDGs達成度評価

 

世界各国のSDGs達成度を評価する取り組みもされています。代表的なものとしては、2020年6月、ベルテルスマン財団と持続可能な開発ソリューションネットワーク(SDSN)は、2020年度版「持続可能な開発目標(SDGs)インデックス&ダッシュボード」を公開した[Sustainable Development Report 2020]です。これはさまざまなデータをもとに、国連に加盟する全193カ国のSDGsの達成状況を分析するこのレポートはこの年で5回目となり、これまでの変化に関するデータや、2030年に向けた予測が示されています。2019年度までと同様、2020年度も、1位スウェーデン(スコア100点満点中84.7点)、2位デンマーク(84.6点)、3位フィンランド(83.8点)の順に北欧諸国がトップを占めていました。日本は17位(79.2点)2017年11位、2018・2019年15位です。参考としてその他先進国の順位は、4位フランス、ドイツ5位、イギリス13位。なお、アメリカ31位、中国48位、また17目標全ての達成に向かっている国は一つもなく、上位の国々でも目標12(責任ある生産・消費)や、目標13(気候変動対策)などについては、達成には程遠い状況にあることも示されています。日本の状況を見てみると先ほど述べた通り2020年度の日本は166か国中17位79.2点、2017年11位、2018・2019年15位です。2017年度、2018年度と同様に、目標4(教育)や、目標9(産業と技術革新の基盤)については高い評価を得ましたが、、2年連側で日本の評価が低いSDGs最大の目標としては、目標5のジェンダー平等:国政おける女性国会議員数が少ない、ジェンダー間の賃金格差が大きい、目標12の持続可能な生産と消費:電気電子機器廃棄物の量、目標13の気候変動対策:1人あたりエネルギー関連のCO2排出量が多い、バイオマスを除くノンロードエネルギーにおける実行炭素税率、目標17のパートナーシップ:対国人総所得比ODAを含む国際的な譲許性の高い公的資金の割合が低い、金融秘匿率指数が高いことです。

出所:Sustainable Development Report 2020, https://www.sustainabledevelopment.report/